エロゲ、ノベルゲ英語学習最強ツール仮説

エロゲ、ノベルゲ好きオタクの語学実験記

Hack My Love 感想

6本目の英語エロゲ、ノベルゲ:Hack My Loveをクリアしました。
 

 

Anibabe!

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  • Genius Studio Japan Inc.
  • Games
  • Free

 

 

評価
満足度 78
英文難易度 B(やや簡単)
 
 
GENIUSという会社が作っているシリーズの中の一作品です。
このメーカーは生産スピードが素晴らしく速いため、ラインナップの豊富さが魅力です。月に3~5本くらいのペースで新作を出しています。ジャンルも色々あって飽きません。長さは大体15話くらい(本作は12話でしたが)で構成されていて、プロットもとても安定しています。1話あたりのプレイ時間は一概には言えないでしょうけど私の場合平均15~20分くらいでしょうか。
音楽も毎回新しいBGMが用意されていて使いまわしはほとんどないですし、絵もクオリティ十分。総プレイ時間も平均的なエロゲの長さに比べてずっと短い上に、一話毎に話がうまく区切られているのでとにかくプレイしやすいです。さらに1回のウィンドウに表示される文章が全体的に短めなため言語学習者的にも相性がいいです。
 
 
本作はこのシリーズのジャンルで言うところのホラーにあたるものです。
ある日、なぜだかスマホにインストールされていたゲームを通して、主人公は現実を参考に再構成された架空世界へと入っていき、そこで現実にいる女の子と仲良くなっていく・・・という感じで物語は動き出すのですが、ジャンルがホラーと言うだけあって一筋縄ではいかない展開は見事でした。途中から現実とゲーム起動後に入る架空世界との境界が曖昧になっていきます。
私自身、英語力不足のせいなのか読解力不足のせいなのかは微妙なところですが、完全に理解できたかと言うと怪しいです。
というよりたぶんそういう謎を残す作品なんだろうなと自分の理解力を棚に上げて勝手に思っています。これまでやったGENIUSのゲームの中で一番謎度が高かったかも。
 
 
以下ネタバレ考察、感想
 
 
 
 
 
 
 
作中では結局、一連の出来事はcoping mechanism対処メカニズム[機構]◆精神的苦悩や問題に対処するために働くしくみで、さまざまな身体的病気や行為となって表れることもある)によるものだろうという主人公の推論であっさり片づけられたかに見えますが、実際には主人公たちは最後までゲームの中にいるのでしょう。HamasakiルートとMegumiルートの最後の選択でNoを選んでも、強制的にYesへと誘導されてしまうため、プログラムによる強制力が依然としてあることを匂わせます。最後のMegumiとHamasakiのやりとりはこれまでの険悪なやり取りを考えると不自然な程お互いフレンドリーで、ハッピーエンドらしくなるようプログラムによって誘導強制されたものだという気がします。作中唯一ゲーム内にいてプログラムの強制力を自覚していたReikaは、自身のルートだと付き合い続けるにはプレイヤーがゲームをプレイし続ける以外ないと主人公に伝えます。
 
本作の解釈のポイントは主人公とゲームのプレイヤーを分けることにあると私は思っています。プレイヤーがゲームに没頭し、主人公に一体化していきヒロイン他世界観に愛着を持って没我的になる時に起こる現象が一連のゲーム内世界で、その幸せの最高潮が各ヒロインのエンドに現れる。しかしHamasakiやMegumiと違い、主人公あるいはプレイヤーに対してこれはゲームで自分たちはその中にいると伝えた上で主人公に想いを伝えてくるReikaは非常にメタなキャラクターと言えそうです。ある意味現実への帰還のチャンスを与えてくれており、そんなReikaがラストシーンに残す悲しい表情が非常に印象的です。その表情は、ゲームの中でしか主人公と恋人になれない自身の運命に対してか、ゲームにそのまま没頭することになってしまうかもしれない主人公に対してなのか、考えさせられるものがあります。
 
私の解釈としては、主人公は物語の一番最初から最後までずっとゲームの中にいたのではないかと思います。そのゲームの中で突如インストールされていたゲーム(ゲームの中のゲーム)に主人公が没頭していく…。そしてHamasakiとMegumiの両ルートでは結局それは対処メカニズムがなせる半ば妄想的思考、行動の産物だった、と主人公が納得しエンディングを迎えるのであり、一方でReikaルートだと主人公は自分がやっているゲームの登場人物だと思い込んだ状態でエンドを迎える。実際にはプレイヤーがやっているゲームの登場人物な訳ですが。
ただプレイヤーは主人公に没入しており、主人公はゲームの自分に没頭しているため、三者は結果として無意識的にイコールで結ばれる。そんな状況下で唯一Reikaルートだけ、主人公はメタ視点を自覚しているため、現実に帰還する可能性を持つ。
 
 
もっとも現実に帰るのがいいかどうかはまた別な問題でもあり、エロゲが趣味なせいで話題などで社会的に幾分生きづらい時がある私のようなオタクにとっては実に耳の痛いお話である。しかしそれでエロゲ趣味はやっぱ社会人になるとよくないなぁとかバランスが大事だよとか言って思考停止と紙一重の単純な結論に走ってわかった気になるのも抵抗があるし、社会人になってゴリゴリのエロゲーマースタイルを貫く漢を尊敬するようなどこか軽蔑するようなあるいは正直嫉妬するような想いもあるしああもうよくわかんないけどまぁ現実も実際にはフィクションだよなぁとか数年前に読んだサピエンス全史を引き合いに出すまでもなければ知ったかぶり相対性理論量子力学でわかってる気になるのもなんだけど解釈主義多元主義個人主義創造主義で個の存在がどんどん軽くなる一方エゴイズムだけは一人前でマウントの取り合いする人間相変わらずなことを考慮すると大事なのはゲームか現実かでなくて最適化を目指す旅を楽しみましょうその先がどこかはそれぞれの特性と関係性によるっと、そんな気がするのですごめんなさい最後意味不明思考垂れ流しでした。
 
 
 
 
 
Hamasakiはバブみヤンデレを押さえたいいヒロインでした。
 

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